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2012/03/03

ドイツ留学記 その3

厳しい規則

フライブルクで暮らしながら「これぞドイツの国民性!」と強く感じたことがありました。それは’規則を重視する国なんだ’ということです。生活の中でのルールは多く決められていて、それを徹底的に守る(従う)人々の姿を目の当たりにしました。

例えば、学校の事務手続きが遅れると、入学できないか退学です。教務課の秘書は、まるで警察官のように厳しい口調と表情で手続きをこなしていました。あるとき図書館の本を返すのが1日遅れてしまったら「罰金よ」と言われました。ええっ。そんな話、日本できいたことがあったっけ?!日本の学校の図書館で、返却がうっかり3日遅れたり…ということはよくあったのですが、それはドイツの大学では許されないとわかり、私はちょっと背筋が寒くなりました。小額ではありましたが、罰金は払わされて終了。トホホ。

それから、一歩外に出ると、街の交通ルールも厳しかったです。信号や右側通行は絶対でした。ある日、私は車道を挟んだ道路の左側にいて、ほんの数十メートルくらい先に用事があったので、そのまま自転車で道を走ったのですが「君、間違ってるよ〜!」と大きな声で注意されてしまいました。たとえ遠回りでも、この場合は、必ず道路の右側を走り→信号をわたって→折り返して右側を行って、目的地までいかないといけないのでした。信号無視に関しては、必ず誰かの見張りが利いていて「子供の教育上悪いわよー!」「赤ですよー!」とか注意する人がいます。日本ではこのぐらいでは注意する人はいません。

最初はうっとうしい、と思ったこの規則ですが、これをきちっと守る事によって、街の安全や秩序が保たれていることが徐々にわかってきました。それに、人に注意をする、というのは親切心から来ていることもなんとなく理解できました。ドイツ人は根は優しいんです。お陰でフライブルクは、予想せぬ危険はまったく起こらない、平和な街だったと思います。

このエピソードを、ちょっと音楽の話に置き換えても当てはまることがあります。例えば、バッハのフーガ。これはドイツ独特の「対位法」という規則を駆使した、音の’建造物’です。厳格な法則に従って、音を緻密に積み上げていき、その中に最高の美を作り出す。考えてみたら、このような作曲技法は他の国には見当たりません。だから、私はフーガを演奏するとき、これはいかにもドイツ人が得意とするスタイルだな、と思います。感情が前面に出たり、感覚的だったり、はたまた奇抜なアイディアが出てくるフランスやイタリアと最も違うところでしょうね。